2014年5月15日木曜日

シュローカ10 パラー(上級)と呼ばれる理由 その3

パラー(上級)と呼ばれる理由 その3:アパラーの知識は、実践する必要があり、行動をする人が完全に満たされることは無い。


न विनानुष्ठितं कर्म वेदनं पर्यवस्यति । ब्रह्म धीस्तावतैव स्यात्फलदेति परा मता ॥१०॥
na vinānuṣṭhitaṃ karma vedanaṃ paryavasyati |
brahma dhīstāvataiva syātphaladeti parā matā ||10||

anuṣṭhitaṃ   (2/1)  実践
vinā   (0)  無しでは
karma   (1/1)  カルマ(行為の)
vedanaṃ   (1/1)  知識は
na  (0) paryavasyati   (III/1)  終結しません。

brahmadhīḥ   (1/1)  ブランマンの知識は
tāvatā  (3/1)  eva  (0)  知るだけで(実践無しで)
phaladā   (1/1)  結果をもたらすものに
syāt   (III/1)  なります。
iti   (0) 
parā   (1/1)  パラヴィディヤーは
matā   (1/1)  知られています。


v  カルマの知識は、実践が必ず必要
v  知るだけで結果がもたらされるとは?


シュローカ9 前の続き

परया चाक्षरं ज्ञेयमेतस्मिन्विदिते सति । सर्वं जगद्भवेद्बुद्धं तस्य सर्वात्मकत्वतः ॥९॥
parayā cākṣaraṃ jñeyametasminvidite sati |
sarvaṃ jagadbhaved buddhaṃ tasya sarvātmakatvataḥ ||9||

ca   (0)  そして、
parayā   (3/1)  パラヴィディヤーによって
akṣaraṃ   (1/1)  アクシャラ(ブランマン)は
jñeyam   (1/1)  知られます。

etasmin (akṣare)   (S7/1)  このアクシャラが
vidite  (S7/1)  知られた
sati   (S7/1)  時、
tasya (akṣarasya)  (6/1)  アクシャラは
sarvātmakatvataḥ  (H5/1)  全ての本質であることから、
sarvaṃ   (1/1)  全ての
jagad   (1/1)  ジャガットが
buddhaṃ   (1/1)  知られたことに
bhaved   (III/1)  なります。


v  ブランマンを表す、アクシャラという言葉の意味は?
v  ジャガットとは?




シュローカ8 パラー(上級)と呼ばれる理由 その2:アパラーはパラーの為の手段である。

パラー(上級)と呼ばれる理由 その2:アパラーはパラーの為の手段である。

यस्यअमपरविद्यायां कर्माण्युक्तानि साधकाः । कुर्वन्ति कर्मभिः शुद्धिं परविद्या करोति हि ॥८॥
yasyaamaparavidyāyāṃ karmāṇyuktāni sādhakāḥ |
kurvanti karmabhiḥ śuddhiṃ paravidyā karoti hi ||8||

yasyām  (7/1)  その
aparavidyāyāṃ  (7/1)  アパラヴィディヤーの中で
karmāṇi  (1/3)  儀式などの知識が
uktāni  (1/3)  教えられています。

sādhakāḥ  (1/3)  モークシャを得るために努力している人達は、
karmabhiḥ   (3/3)  儀式などの行為によって
śuddhiṃ  (2/1)  アンタッカラナ・シュッディ(心の成長)を
kurvanti   (III/3)  得ています。

(śuddhiḥ)  (1/1)  その成長が
paravidyāṃ   (2/1)  パラヴィディヤーを
hi  (0) (先生の助けによって)
karoti   (III/1)  もたらしてくれるのです。


v  साधन(手段)साध्य(目的) 
v  アンタッカラナ・シュッディとは?
v  なぜ「先生の助けによって」と入れる必要があるのか?




シュローカ7 パラー(上級)と呼ばれる理由 その1:特別な努力が必要

パラー(上級)と呼ばれる理由 その1:特別な努力が必要

वैदिक्यप्यधिकारस्य भेदादुक्ता पृथक् परा । विप्राः परिव्राजकाश्च तिष्ठन्तीति यथा तथा ॥७॥
vaidikyapyadhikārasya bhedāduktā pṛthak parā |
viprāḥ parivrājakāśca tiṣṭhantīti yathā tathā ||7||


vaidikī  (1/1)  ヴェーダに属している
api   (0)  けれども
adhikārasya  (6/1)  アディカーラ(資質・資格)の
bhedāt  (H5/1)  違いにより
parā  (1/1)  パラー(ヴィディヤー)は
pṛthak   (1/1)  別物として
uktā   (1/1)  (アンギラスによって)教えられています。

yathā   (0)  例えば、
viprāḥ  (1/3)  「ブランマナという階級の人であり、
ca  (0)  さらに
parivrājakāḥ   (1/3)  出家の儀式も受けた人が
tiṣṭhanti   (III/3)  立っている。」
 iti  (0)  というのと
tathā   (0)  同じように。



v  ウパニシャッドはヴェーダの一部である。4つのヴェーダをアパラー・ヴィディヤーと呼び、ウパニシャッドをパラー・ヴィディヤーと呼ぶなら、ウパニシャッドはヴェーダの一部ではなくなってしまうのではないか?
v  アディカーラの違いとは?

v  例え話の伝えるところは?