2014年6月28日土曜日

シュローカ19 ブランマンの定義に対する反論:

ブランマンの定義に対する反論:

युक्तं भूतयोनित्वं साधनान्तरवर्जनात् एकस्माच्चेतनाद्भूरिजडानामप्यसम्भवात् ॥१९॥
na yuktaṃ bhūtayonitvaṃ sādhanāntaravarjanāt | ekasmāccetanādbhūrijaḍānāmapyasambhavāt ||19||


bhūtayonitvaṃ    (1/1)  (ブランマンが)全ての物の創造の源であることは、
sādhanāntaravarjanāt    (5/1)  資源や補助的原因など、他の要因が無いということから、
yuktaṃ  (1/1)  可能では
na   (0)  ありません。

api   (0)  また、
ekasmāt    (5/1)  ひとつの
cetanāt    (5/1)  意識的な存在から
bhūri-jaḍānām    (6/3)  沢山の非意識的な存在が生まれることが
ambhavāt    (5/1)  不可能であることから、(ブランマンは創造の源では有り得ません。)


v  反論者が指摘している矛盾点は何か?
v  創造に必要な要素とは?
v  ブランマンが唯一の存在なら、創造に必要な要素が揃わない。
v  Cause(元の要因)は、Effect(それから作られたもの)とは別の物では無い。例えば、土が、それから出来た壷とは別の物では無いように。
v  一つのブランマンから沢山の物が創造される、とは不可能ではないか?

v  意識的な存在であるブランマンから、非意識的な物体が生まれるのも不可能ではないか?

シュローカ18 ブランマンの定義 #12:

ブランマンの定義 #12:

तदुक्तलक्षणं तत्तु कौटस्थ्यादक्षरं भवेत् तद्यया वेद्यते सेयं परा विद्येति कीर्तिता ॥१८॥
taduktalakṣaṇaṃ tattu kauṭasthyādakṣaraṃ bhavet |
tadyayā vedyate seyaṃ parā vidyeti kīrtitā ||18||


tad  (1/1)  その(一つを知れば全てを知ったことになるというものは、)
uktalakṣaṇaṃ   (1/1)  これまでに定義されました。

tu   (0)  また、
tad   (1/1)  それは
kauṭasthyād   (5/1)  「クータスタ(変化しない)」という本質から
akṣaraṃ   (1/1)  アクシャラ
bhavet   (III/1)  と呼ばれます。

tad  (1/1)  その(アクシャラは)、
yayā   (3/1)  この(知識に)よって
vedyate    (III/1)  知られます。

sā  (1/1)  その(知識が)
iyaṃ  (1/1)  この
parā  (1/1)  パラー
vidyā  (1/1)  ヴィディヤー(知識)
iti   (0)  と、
kīrtitā  (1/1)  言われています。



v  アクシャラ・ブランマンの定義#12:「クータスタ」とは?

2014年6月17日火曜日

シュローカ17: ブランマンの定義 #10~11

ブランマンの定義 #10~11:

धनस्येव व्ययो नास्य विक्रियादेरसम्भवात् स्थिरजन्गमभूतानां हेतुं तं मन्वते बुधाः ॥१७॥
dhanasyeva vyayo nāsya vikriyāderasambhavāt | sthirajangamabhūtānāṃ hetuṃ taṃ manvate budhāḥ ||17||


dhanasya   (6/1)  財産の
vyayaḥ   (1/1)  消耗
iva   (0)  ように、

asya   (6/1)  この(アクシャラ・ブランマンの)(消耗は)
vikriyāderḥ   (6/1)  変化などが
asambhavāt  (5/1)  不可能であることから、
na   (0)  ありません。

budhāḥ  (1/1)  (アクシャラ・ブランマンを)知っている人達は、
taṃ   (2/1)  それを
sthirajangamabhūtānāṃ   (6/3)  全ての生物と無生物の
hetuṃ   (2/1)  源として
manvate   (III/3)  知っています。


v  アクシャラ・ブランマンの定義#10:「消耗しない」とは?
v  アクシャラ・ブランマンの定義#11:「全ての生物と無生物の源」とは?



シュローカ16: ブランマンの定義 #9(続き)

ブランマンの定義 #9(続き):

हस्तग्राह्यो घटः स्थूलो ध्वनिः सूक्ष्मस्तदग्रहात् स्वरूपसौक्ष्म्यमेतत्स्यादक्षरोऽपि भवेदिदम् ॥१६॥
hastagrāhyo ghaṭaḥ sthūlo dhvaniḥ sūkṣmastadagrahāt | svarūpasaukṣmyametatsyādakṣaro'pi bhavedidam ||16||


hastagrāhyaḥ   (1/1)  手で掴むことの出来る
ghaṭaḥ   (1/1)  壷は
sthūlaḥ   (1/1)  凝個体であり、形や重量がはっきりしています。

tadagrahāt  (5/1)  手で掴むことが出来ないことから、
dhvaniḥ   (1/1)  音(音波)は
sūkṣmaḥ   (1/1)  微細であると言えます。

etat  (1/1)  これが、
svarūpasaukṣmyam  (1/1)  取り扱いの出来るものではなく、抽象的なこと
syāt  (III/1)  です。

akṣaraḥ  (1/1)  アクシャラ(・ブランマン)
api   (0)  も、
idam  (1/1)  同じようなもの
bhavet  (III/1)  です



v  アクシャラ・ブランマンの定義#9:「とても微細である」とは?

シュローカ15: ブランマンの定義 #9

ブランマンの定義 #9:

सर्वगस्याऽपि सूक्ष्मत्वादक्षाऽगोचरतोदिता परिमाणाल्पता नात्र सौक्ष्म्यं दुर्लक्ष्यता तु तत् ॥१५॥
sarvagasyā'pi sūkṣmatvādakṣā'gocaratoditā |
parimāṇālpatā nātra saukṣmyaṃ durlakṣyatā tu tat ||15||


sarvagasya   (6/1)  「全てに浸透している」
api   (0)  けれども
sūkṣmatvāt   (5/1)  (それは)とても微細であることから
akṣa-agocaratā   (1/1)  感覚器官では知りえないことが
uditā  (1/1)  言われている

atra   (0)  ここ(微細であること)において、
parimāṇālpatā  (1/1)  サイズが小さいことが
na  (0)  言われているのでは)ない。

tu  (0)  しかし、
tat  (1/1)  その
saukṣmyaṃ  (1/1)  微細であることは、
durlakṣyatā  (1/1)  理解しづらいという意味である。



v  アクシャラ・ブランマンの定義#9:「とても微細である」とは?(次のシュローカに答えがある。)

シュローカ14:ブランマンの定義 #8

ブランマンの定義 #8:

आकाशवत्सर्वगोऽतः परिच्छेदो न देशतः । न कालतोऽपि नित्यत्वाद्विभुत्वान्नापि वस्तुतः ॥ १४॥
ākāśavatsarvago'taḥ paricchedo na deśataḥ |
na kālato'pi nityatvādvibhutvānnāpi vastutaḥ || 14||


ākāśavat   (0)  空間のように
sarvagaḥ  (1/1)  (このアクシャラ・ブランマンは)全てに浸透している。
ataḥ   (0)  それゆえに、
deśataḥ   (0)  空間的に
na (0)  paricchedaḥ   (1/1)  限定されたものではない。

api   (0)  また、
nityatvāt   (5/1)  時間から自由であることから、
na  (0)  kālataḥ   (0)  時間的に(限定されたものでは)ない。

api   (0)  また、
vibhutvāt   (5/1)  全ての原因であることから、
na  (0)  vastutaḥ   (0)  対象物として(限定されたものでは)ない。


v  アクシャラ・ブランマンの定義#8:「全てに浸透している」とは?
v  3つの限定要素により限定されないブランマンとは?



2014年6月14日土曜日

シュローカ13: ブランマンの定義 #6~7

ブランマンの定義 #6~7:

नित्योऽक्षरपदार्थोऽयं तद्विनाशानिरूपणात् । विभुर्विविधभावित्वात्तच्च सर्वात्मकत्वतः ॥१३॥
nityo'kṣarapadārtho'yaṃ tadvināśānirūpaṇāt | vibhurvividhabhāvitvāttacca sarvātmakatvataḥ ||13||


ayaṃ   (1/1)  この
akṣarapadārthaḥ   (1/1)  アクシャラという言葉の意味は、
tadvināśānirūpaṇāt   (5/1)  その破壊を証明する事が不可能であることから、
nityaḥ  (1/1)   永遠(時間から自由であること)です。

vibhuḥ   (1/1)  全てになるもの
vividhabhāvitvāt    (5/1)  多種多様に表れることから
tat   (1/1)  それは(そのアクシャラ
ca   (0)  また、
sarvātmakatvataḥ  (0)  全てに共通する本質であることから(vibhuと呼ばれる。


v  アクシャラ・ブランマンの定義#6:「永遠」とは?
v  アクシャラ・ブランマンの定義#7:「ヴィブ(全てになるもの)」とは? 
·         全てのものの原因である、ということ。

·         しかしそれは、一人の人間とその子孫のようなものでしょうか?つまり、元のものと、それから出来たものは別物であるような原因でしょうか?